（東京都江東区・夢の島公園内）
1954年3月1日。
マーシャル諸島のビキニ環礁で、アメリカ合衆国が水爆実験を行なった。
焼津港所属のマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員23名は、
この実験の影響で被爆。
無線長だった久保山愛吉さんは、半年後に亡くなった。
「第五福竜丸展示館」には、
この事件に関する資料が多数展示されている。
小さな展示館だが、乗組員の手記を読み、
当時のニュースビデオを観ていると、時間を忘れて深く考えさせられる。
展示の中でも言及されているが、
合衆国の原水爆実験で被害を受けたのは、
もちろん、第五福竜丸を含む日本の漁船だけでない。
自身の生活の場を実験場とされたマーシャル諸島の人々は、
さまざまな被害と後遺症に苦しんできた。
マーシャル諸島共和国の調査によれば、
白血病や癌など原水爆実験による健康障害を認定されたのは1865名。
このうち840人が死亡しているという（京都新聞04年1月13日付記事）。
しかも、これは公的に認定された被害者数にすぎず、
実際の被害者はこの数をはるかに超えるものとなる。
1986年発効の「自由連合協定」に基づき合衆国が支払った補償も不十分であり、
補償対象から外されたままの地域もある（毎日新聞03年11月20日付け記事）。
問題は、まだ終わっていない。
亡くなった久保山愛吉さんの言葉を刻んだ碑。
「原水爆の被害者はわたしを最後にしてほしい」と記されている。
入場料：無料
開館時間：午前9時30分から午後4時まで
休館日：月曜日
（ただし、月曜日が祝日の場合は開館して
火曜日が振替休館）
