アムステルダム抵抗運動博物館
Plantage kerklaan 61,Amsterdam Holland
この博物館をはじめて訪問したのは、95年1月。
当時は展示に英語表記がなかったため、受付の男性が親切にも、
アムステルダムの日本人学校の先生が生徒用につくった日本語解説書を、
わざわざ貸してくれた。
「う〜ん、いい人だ」と感謝して中に入る。
（私は単純なので、親切にされると喜ぶ。以来、この博物館は私のお気に入り）
ここは、ナチスによるオランダ占領の歴史や、
反ナチス抵抗運動について紹介した博物館だ。
被迫害者を匿う組織的な運動や、
市民によるさまざまなレベルの抵抗が紹介されていた。
もちろん
「オランダ人は抵抗した！」という展示の、ナショナルな色合いへの違和感はあるし、
「協力した人もたくさんいたでしょう？」って感じもするが、
少なくとも、ここに展示されているような抵抗運動を行なった人々が、
現実に存在した――しかもさまざまな困難を抱えながら――
という事実については、率直に感銘を受けた。
たとえば、
ニセのIDカードを作ってレジスタンスやユダヤ人を助けた人たち。
ユダヤ人大学教授のクビきりに抗議してストライキした学生たち。
ナチスの忠誠宣言への署名を拒否した学生たち（全学生の86％）。
ナチス支配下の医師会への強制加入に抗議し、
資格を失いながらもレジスタンスの援助を続けた医師たち。
…などなど。
展示の向こう側にある現実のなかで
彼らはどのような困難と闘っていたことか。
この博物館、以前は市の中心街からやや離れた地区にあったが、
99年5月1日に現在の場所に移転した。
すぐ近くには、「オランダ劇場」や「港湾労働者の像」がある。
ここは、かつてユダヤ人が多数住んでいた地域なのだ。
（ちなみに、日本で出版されている旅行ガイドブックの地図は、
抵抗博物館の場所を間違っているのでご注意！）
動物園の斜め向かいにあるため、観光旅行者も訪問しやすくなった。
展示も新しくなり、充実した。
ぜひ、一度訪問してみてください。
[行き方]
田口の最新訪問日：00年2月13日